2月10日の菅内閣官房長官の画期的な答弁。
もしそれが虚偽だったら。
その可能性についても、念の為に考慮する。安倍政権ではこれまでも、しばしば虚偽・隠蔽などが見られたので(勿論、他ならぬ皇室に関する事柄で、国会で公然と虚偽を述べるなど、決して許されないが)。その場合、いくつかのケースを想定できる。その1は、水面下で旧宮家系国民男性らの意向確認(及び現状把握)を
試みたものの、残念ながら望ましい結果が得られなかった
(皇籍の取得を断られたり、身辺に問題を抱えていたり等)。
そこでやむなく、そうした作業の事実そのものを否定したというケース。
これはあり得るだろう。
私自身も以前、そのような話を仄聞したことがある。その2は、既に皇籍取得に応諾し、その他の条件もクリアした人物がいても、
様々な反響を恐れて内密にしているケース。
しかし、これは考えにくい。
もしそうした人物が実際にいて、政府が“皇籍取得策”に本気であれば、
可及的速やかに制度改正に乗り出すはず。なのに憲政史上最長の政権が続く中で、
ここ何年も殆ど放置状態。
その間に、結婚その他、当人の事情や心境が変わる可能性は高い。
だから当然、急ぐ必要がある。
にも拘らず、急ぐ気配がまるで無い。
このケースは、ほぼ現実味が無いだろう。その3は、これから(意思と現状の)確認作業に乗り出すつもりだが、
予め障害が生じないように、ひとまず隠しているケース。
だが、これも想像しにくい。
旧宮家系男性の皇籍取得は、「男系」維持の唯一の解決策(?)として、
一部の人々から早くより強く求められている。
だから、もし政府がこの方策を取り上げるつもりなら、とっくにその
作業に着手していなければおかしい。結局、該当者を見つけられなかった「その1」以外は、リアリティーが無い。
よって、菅官房長官の答弁が、万が一虚偽であったとしても、
選択肢としては既に除外されていると考えるしかないだろう。【高森明勅公式サイト】
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